CAが綴る、旅先で見た風景。vol.2 雨季を知ったバリ島
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「雨季」「乾季」をご存知だろうか?
日本に春夏秋冬があるように、
赤道に近い地域では1年で降水量が多い時期を雨季、少ない時期を乾季としている。
旅行先では晴れが望ましい。
つまり、雨が降りにくい乾季が旅行のベストシーズンである。
2月に行ったバリ島。
大雨だった。
バリ島では11月〜3月は雨季なのである。
自称晴れ女の私は天気のことなど眼中になかった。
そもそも東南アジアって1年中晴れていると思っていた。
地理を勉強し直す必要がありそうだ。
高校の頃、地理の先生が西島秀俊さん似のイケオジだったので、地理のテスト勉強はとりわけ頑張っていた。
でもこうして、きれいさっぱり忘れてしまうのだ。
もし今の感性のまま学生に戻れるなら、自分の人生において必要なことだけ猛勉強したい。
きっと脳の容量は決まっていると思うから、
漢文に使っていた分を英単語に当てて、微分・積分に使っていた分を世界の気候区分に当てよう。
そして完全に知識を自分のものにして、一生忘れない。
妄想だけでは成長できないから、大人になっても勉強すればいい。
そう考えると旅行は最大の勉強の場である。
バリ島旅行を通して、世界の気候についてもう一度学ぶことができたのだ。
バリ島が雨季を教えてくれた。
バリ島は夕日が綺麗で有名なのだが、もちろん雨で見れなかった。
雨の中の世界遺産巡りを終え、何気なく立ち寄ったbar。
夜の街並みはキラキラしていて、バリ島って案外栄えているんだなといった印象。
女2人で異国の地のbar。
店内に日本人らしき人は見当たらない。
少しの緊張で背筋が伸びる。
そんなドキドキをよそに
カウンター越しの店員さんはとてもフレンドリーで、すぐに打ち解けた。
日本人の若者が珍しいのか、私たちはすぐに店内の人気者になった。
6人の店員さんに囲まれ、お互いに拙い英語で会話した。
バリ人は目鼻立ちがくっきりしていて、色黒だ。私たちとは正反対。
名前も発音が難しくて覚えてないけど、おおらかで素敵な笑顔は鮮明に覚えている。
お別れの前にSNSを交換した。
今でも投稿を見ると「元気そうでよかった」と思う。
一緒に行った友達とたまにその人たちの話をすることもある。
数時間の出会いだったけど、一生忘れない友達になった。
向こうも私たちのこと、忘れてないといいな。
私は名前忘れちゃったけど。
次の日、市内を散策していると目の前でバイクが止まった。
見た目はバリバリのバリ人男性、推定40歳。
でも流暢な日本語で私たちに話しかけてきた。
会話の内容は覚えてないが、
なぜかその人のバイクに3人乗りすることになった。
めちゃめちゃ怖かった。
だって想像以上にスピード出すし、日本みたいにきれいな道路じゃないから車間距離が近すぎる。
落ちたら確実に死ぬ。
友達に貸した帽子が飛ばされた。
そんなのどうでもいい、命さえあれば。
おじさんは私たちが望む場所に連れて行ってくれた。
ただ1箇所だけ、リクエストしていないお土産屋さんに連れて行かれた。
私たちは謎のお守りを買うことになったのだが、そんなの気にならないくらいいい時間だった。
旅先で現地人の暮らしを体験できる機会はとても貴重だ。
おじさんがなぜ親切にしてくれたのかは今でもわからない。
お守りを買わせることが目的だとしたら安すぎる。
若い女の子と遊びたかったのかな。日本が好きなのかな。暇なのかな。
色んな想像が働くが、おじさんのお陰でバリ島が大好きになったことは真実だ。
おじさん、ありがとう。
バリ島は人があたたかい場所だった。
そして、雨季を知った場所であった。
でもここには雨の写真が1枚もない。
理由は1日だけかんかん照りだったから。
やはり晴れにはかなわない。
旅行先での失敗や経験は、
誰に強いられるわけではなく、身をもって学び次に活かそうと思える。
旅行すればするほど、自分の人間力がレベルアップしていくと感じる。
バリ島ではそんな旅行の醍醐味を味わえた気がする。